ひとりはなび
真っ暗な夜。漆黒の空には、お月様がぼわーっ浮いていて。星がちらちら瞬いて。
そしてどこまでも広がる――今は真っ暗で色がわからない――だいぶ伸びてきた大草原のど真ん中。
小枝くらいの大きさの花火を手に持って、ぼーっと火の花を見ている。
赤になって。緑になって。蒼になって。
次々と変わっていく色。私は何も変わることなくじーっと見ているだけ。
やがて消える。何事も無かった様に、儚く散りゆく。
次は線香花火。ほんの僅かな灯りが、私の足元を静かに照らす。
ちっちゃい花びら。
見上げると大きなお月様。
君はあんなに輝く事はないけども、君は太陽の力を借りることなく灯っているね。
そして君も。花びらが消えて、種をぽとっと落としてしまう。
灯りが消えてしまう。
それまでは刹那のこと。あっというまのこと。
でもその間だけ。その間だけ、私だけの花。
のんびりと、自分なりにがんばって花を咲かす。
「火の始末はちゃんとしてよね、ナヴィ。」
「はいはい。分かってるよソロ。」
それから私は『私だけの花』に『水』を与える。
花は、また咲き誇る。